皆様:

こんばんは。ご来場どうもありがとうございました。
僕は今、海軍基地の中から手紙を書いています。

今の僕が、こうして『シーディンの夏』に関して語るのは、まるで前世の事を語っている様に感じます。これは「たとえ」の話じゃなくて、本当にそう感じるのです。何故なら、僕は軍服を着たその日から、「個人」というものを完全に捨て、命令に従うだけの機械になってしまったのです。それは僕にとって、全く違う人、全く違う世界に感じるのです。
幸い、こうした自分を調整する事によって、軍隊生活に馴染むまで、あまり苦にはなりませんでした。今は、軍隊生活の単純さを楽しむことさえ学びました。

すいません、ちょっと前置きが長くなってしまいました。

僕が言いたかったのは、たとえ、監督の僕がこんなに変わってしまっても、この映画は時間を超えて、二年前の僕たちが感じた、あの時だけのシーディン、あの夏だけの純粋さを記録しているのです。
そして、皆様は今夜、この映画を見る事によって、二年前の僕たちの思い出を、皆様の「今夜の記憶」として残してゆくのです。

こうして、時間と空間を越えて、我々の記憶が重なるのって、不思議だなーと、改めて、「映画」というものの素晴らしさに感動しました。

今夜が、皆様にとって、美しい夜になる事を、心から祈っています。
それでは、どうぞごゆっくり、「シーディンの夏」を楽しんでください。

鄭有傑(チェン・ヨウチェー)
敬礼!

 

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